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大阪地方裁判所 昭和41年(わ)210号 判決 1967年3月03日

本店所在地

大阪市東淀川区下新庄町二丁目二一二番地

東洋プラスチツク株式会社

右代表者

中川泰治

小林信助

本店所在地

群馬県太田市大字小舞木六〇番地

東洋樹脂株式会社

右代表者

中川泰治

本籍

京都市下京区柳馬場綾小路下ル永原町一五六

住居

吹田市大字下新田四一ノ一

会社役員

中川泰治

大正一〇年四月四日生

右各被告会社及び被告人に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官加藤圭一、同丸尾芳郎出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告会社東洋プラスチツク株式会社を罰金二七〇万円に

被告会社東洋樹脂株式会社を罰金二三〇万円に

被告人中川泰治を懲役六月に

各処する。

但し被告人中川に対し本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社東洋プラスチツク株式会社は、大阪市東淀川区下新庄町二丁目二一二番地に、被告会社東洋樹脂株式会社は群馬県太田市大字小舞木六〇番地に、それぞれ本店を置き、ともにプラスチツク製品の製造販売等を営業目的とするものであり、被告人中川泰治は右両会社の代表取締役として、その業務全般を統轄しているものであるところ、同被告人は右両被告会社の業務に関し、その法人税を免れる目的をもつて、右両会社の経理担当取締役である浅野正市と共謀のうえ、売上の一部を除外したり、架空仕入を計上する等の不正な方法により

第一、被告会社東洋プラスチツク株式会社につき

(一)  昭和三七年四月一日から昭和三八年三月三一日までの事業年度において、同会社の実際所得金額が五一、五八三、一七五円で、これに対する法人税額が一九、〇四七、六七〇円であるのにかかわらず、右所得金額中二三、五六四、一三七円を秘匿して、昭和三八年五月二九日所轄の大阪市東淀川区内、淀川税務署において、同税務署長に対し、右事業年度分の所得金額が二八、〇一九、〇三八円で、これに対する法人税額が一〇、〇八二、五三〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税八、九六五、一四〇円は法定の納付期限を経過するも、これを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

(二)  昭和三八年四月一日から昭和三九年三月三一日までの事業年度において、同会社の実際所得金額が四五、一五七、六七四円で、これに対する法人税額が一六、六三〇、九三〇円であるのにかかわらず、右所得金額中一六、八六〇、〇三二円を秘匿して、昭和三九年五月三〇日、前記淀川税務署において、同署長に対し、右事業年度分の所得金額が二八、二九七、六四二円で、これに対する法人税額が一〇、二二六、三九〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税六、四〇四、五四〇円は法定の納付期限を経過するも、これを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

第二、被告会社東洋樹脂株式会社につき

(一)  昭和三六年一二月一日から昭和三七年一一月三〇日までの事業年度において、同会社の実際所得金額が二三、九七六、一〇七円で、これに対する法人税額が八、八三四、一八〇円であるのにかかわらず、右所得金額中、一七、九六七、二八九円を秘匿して、昭和三八年一月三一日所轄の群馬県館林市内、館林税務署において、同税務署長に対し、右事業年度分の所得金額が六、〇〇八、八一八円で、これに対する法人税額が二、〇一〇、三五〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税六、八二三、八三〇円は法定の納付期限を経過するもこれを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

(二)  昭和三七年一二月一日から昭和三八年一一月三〇日までの事業年度において、同会社の実際所得金額が四二、五七九、三一一円で、これに対する法人税が一五、九三〇、八三〇円であるのにかかわらず、右所得金額中、一七、六一八、〇七八円を秘匿して、昭和三九年一月三一日、前記館林税務署において、同署長に対し、右事業年度分の所得金額が、二四、九六一、二三三円で、これに対する法人税額が九、二三六、四五〇円である旨所得金額等を過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、右秘匿所得に対する法人税六、六九四、三八〇円は法定の納付期限を経過するもこれを納付せず、もつて不正行為により右同額の法人税を逋脱し

たものである。

(証拠の標目)

一、登記簿謄本二通

一、淀川税務署長の証明書二通

一、館林税務署長の証明書二通

一、高木正雄の脱税額計算書二通

一、粟田十一の脱税額計算書二通

一、滝沢一郎の確認書六通

一、深田一郎の確認書三通

一、奥村重雄の確認書

一、園侃二の確認書

一、浅野正市の確認書五通

一、小沢正吉の確認書

一、上原敬三の確認書二通

一、新実嘉平の供述書

一、浅野正市の大蔵事務官に対する質問てん末書四通

一、北風武夫の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、小田格の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、前川正美の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、浜崎幸吉の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、園侃二の大蔵事務官に対する質問てん末書二通

一、新実嘉平の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、石井宏太郎の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、金築勇夫の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、村山淳の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、山田哲彦の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、橋本福男の調査てん末書

一、大塚修一の調査てん末書

一、粟田十一の調書てん末書二通

一、浅野正市の検察官に対する供述調書三通

一、浜崎幸吉の検察官に対する供述調書

一、園侃二の検察官に対する供述調書

一、永井鉄郎の検察官に対する供述調書

一、被告人の当公廷における供述並びに大蔵事務官に対する質問てん末書二通及び検察官に対する供述調書二通

一、押収中の手形受払帳二、仕入帳二、千里山寄宿舎関係綴一、領収書一、納品書控一、納品複写簿一、受領書一、スクラツプ関係書類綴三、手帳三、請求書領収書綴一、重要雑書綴一、輸出用機械関係書類一、預り金勘定一、雑書一、預金利息計算書一、支払伝票綴一、昭和三八年度仕入帳一、同手形受払帳一、昭和三九年度手形受払帳三、同仕入補助簿二、手形記入帳二、仕入帳四、売上帳七、経費明細票一三、仕入売上帳一、仕入帳一、東洋樹脂売上帳一、同売上伝票三日、綿実業仕入伝票一、手帳九(昭和四一年押第九二四号1乃至37)

(法令の適用)

各被告会社及び被告人の判示各罪は昭和四〇年法律第三四号附則第一九条により、改正前の法人税法第四八条第一項(各被告会社につき更に同法第五一条第一項)、刑法第六〇条に各該当するので、被告人につき所定刑中いずれも懲役刑を選択したうえ、以上それぞれ同法第四五条前段の併合罪であるから、各被告会社につき同法第四八条第二項により各罰金額を合算し、被告人につき同法第四七条第一〇条により犯情の重い判示第一の(一)の罪の刑に法定の加重をなし、それぞれの所定金額若しくは刑期の範囲内において被告会社東洋プラスチツク株式会社を罰金二七〇万円に、被告会社東洋樹脂株式会社を罰金二三〇万円に、被告人中川泰治を懲役六月に各処し、情状に鑑み同法第二五条第一項を適用して本裁判確定の日から二年間同被告人に対する右懲役刑の執行を猶予する。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 村上幸太郎)

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